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Torre fazione 「Il caffe Ambrosiano」 カフェ アンブロジアーノ

「これこそ、コーヒーだよね!」

ここに来て、デミタスカップを傾けるたびに心からそう思う。

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この店にはゆっくりくつろいで歓談できるような椅子やテーブルはなく、
また、コーヒータイムを華やかに演出してくれるケーキすらない。
ここで我々を待っているのは、チョコレートとクロワッサン、世界からやってきた洗練されたコーヒー豆と、常連客の好みを知り尽くし軽快にうごくバールマンのみである。

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イタリアのコーヒーショップと言えば、誰もがバールをイメージするのだが、
しかしここはバールとは一線を画した、torrefazione(トッレファチオーネ)という風変わりな様相、(コーヒー豆などを)炒るという言葉が店名の語源になっている。

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ケーキをはじめ種類豊富な食前酒のつまみを並べているバールとは違い、コーヒー本来の味のみで勝負する
正真正銘のコーヒー屋なのである。

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雨の中、人足が鈍りがちのミラノの目抜き通り…
この店から漂うほろ苦い魔法の香りに、しかし、店内はギッシリと立ち飲みの客に埋めつくされている。


※、店は自慢のコーヒー豆の販売もあり、その場で客の好みに挽いてくれる。

# by ybitaly | 2008-03-11 10:37 | 美味しいお店  

老舗 ジェラッテリア -- リノマータ ジェラテリア --

ミラノに今も残る運河沿いを久しぶりに散策した。
中世から前世紀の初めにかけてミラノの主な交通手段は、町全体に張り巡らせられた
運河だった。
かつて、ミラノ滞在時のレオナルド ダ ヴィンチまでもが、運河設計に貢献していたらしい。
近代に入り車が普及してからめっきり減ってしまった水路であるが、ところどころに昔の影
が残されている。

散策した「ナビリオ地区」は絵画館のある「ブレラ地区」と並び、おしゃれなお店が立ち並ぶ若者
に人気の地域。ジブリ作品「紅の豚」のワンシーン、主人公ポルコが、修理を済ませた自らの戦
闘機をその水面から力づくで離水させたのがこの運河(ナヴィーリオ)であるとふと思い出した。

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土曜日の昼下がり、人々はティータイムにくりだしたり、ショッピングを楽しみ、傍の若者などは抱き合いながら甘い言葉を交わしている。目のやり場に困った主人が、「アイスクリームでも食うか?」と連れて行ってくれたジェラッテリアは、この界隈で一番美味しいお店らしい。

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中に入ってまず驚いた。
ジェラート屋といえば色どり鮮やかな様々な種類のジェラートがガラスの中に並んでいるのがふつうであるが、ここは50年代に創業したそのままの姿、蓋に閉ざされたジェラートたちはウィンドー越しに一見できない。

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不安ながらお気に入りのコンビ、フィオールディラッテ(ミルク味)とバーチ(チョコレートとヘーゼルナッツとのミックス)を試して見た。砕かれたヘーゼルナッツがチョコレートとうまくマッチしたバーチがなんとも新鮮である。甘味の抑えられたフィオールディラッテもオッティモ(最高)である。

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この列をつくる老舗名店の名物はジェラートだけではなく、なんとクレープも有名らしい。

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種類は決して多くないが、味、店の品格から、「先代が創業したときのままのカラーを保ち続けたい」という主人ゼッポ氏の思いがヒシヒシと伝わってくる。

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# by ybitaly | 2008-02-26 10:59 | 美味しいお店  

料理を愛する人達の夢の空間

メダリアーニ(厨房器具販売店)

「“メダリアーニ”に連れて行っていただけますか?」
日本からやってきたイタリアンのシェフたちは決まってわたしにこう訊ねる。
世界中のイタリアン関係者が立ち寄るこの店は 1860年、ミラノの市街地に産声を上げた
老舗である。
「日本人のお客さんには、アイスクリーム製造機 パスタマシーン ハム専用の
スライサーなどが人気ですよ!」

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パスタマシーン

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と メダリアーニの五代目、シモーネ・メダリアーニ氏。
父である会長のエウジェーニオ氏より移転したばかりの新店舗をまかされている。

現在は、器具などの販売のみにとどまらず、有名レストランのシェフを招いての
料理教室、外国人シェフへの研修先レストランの斡旋など、食に関するあらゆる
サービスを広げている。


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調理器具

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ケーキ型各種

店の中は当然ながら 家庭用 業務用の厨房器具がところ狭しと並んでいる。
「ショップ」というよりは 殺風景な倉庫のような面持ちだ。
だけど料理を愛する人たちにとって 夢の世界のように楽しい空間であることは間違いない。

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店内棚

父の自慢 19世紀につくられた大型オルゴールを聴かせてもらった。
優しく深い音色には 店の長い歴史とあたたかさを感じとることができる。

# by ybitaly | 2008-02-12 10:11 | 雑貨&調理器具等  

上品、おしゃれでありながら、庶民的・・・

PASTICCERIA MARTESANA (パスティッツェリア マルテザーナ)
ショーウィンドに並ぶ品々、店員のふるまい、そしてプライス…
すべてがそのような印象を与えてくれる。

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オーナー兼パテシエ、ビンチェンツォ サントーロ。南イタリアのプーリア州生まれ。
開店から42年間、彼の手から生まれ落ちる華やかで愛らしい作品たちは、
地域の人々の大切な記念日を演出し、カトリックの季節行事をより庶民的に描いてきた。
まさに巨匠(マエストロ)の工房なのだ。

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*イチゴのパスティッチーニ

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*店自慢の店自慢のパニーノ各種

カップチーノ片手におしゃべりに花咲く主婦。
瞳を輝かせながらバースデーのケーキを選びあぐねる少女。
コーヒーで一息入れる初老の紳士。
地域の人たちにとってここはちょっとしたオアシスなのだ。

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*手作りマロングラッセ

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*カーニヴァルのクッキー


上品で、おしゃれ、しかし庶民的。
だからこそ、そのような印象を受けるのかもしれない。

先日、高級住宅地区に暮らす知り合いのおばさまからご招待うけた。
何かお持ちしましょうかの一言に「わたしは有名店のお菓子しか食さないから
お土産なんて結構よ。」
と一蹴。しかし、思い切ってこの店自慢のフルーツババロアを見繕い手土産にしてみた。

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「まあ、どこのお菓子?こんなにきれいで美味しいババロアは初めてだわ!」とおどろきの顔。

街外れの小さなお菓子屋さん、わたしのお気に入りである。

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*ミニ シュー (bigne)

# by ybitaly | 2008-02-01 10:17 | 美味しいお店  

お気に入りのパン屋さん NO1

Panificio Alessandro SAS(パニフィーチォ アレッサンドロ)

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ミラノ中央駅付近の、わたしのお気に入りのパン屋さん。
このお店の魅力は、種類が豊富なフォカッチァとピッツァ。
たまねぎ入り、ズッキーニ入り、オリーブ入り...

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毎日毎日いろいろな種類のフォカッチャやピッツァが日替わりで並ぶ。
ミケッタやフランスパンなど、食事用のオーソドックスなパンの種類のかずと
比較してもフォカッチャやピッツァの充実ぶりには目を見張る。これには理由がある。
この店の近くには、学校が密集しているのであるが,フォカッチャやピッツァは
イタリアの子供達の昼食、軽食の代表選手なのである。
わたしのお気に入りはなんといってもオリーブ入り。
塩分、カロリーはちょっとばかり気になるが、コーラといっしょでもよし
ビールにもワインにもOK。シンプルだがなんともいえないイタリアならではの味である。



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2月7日から2日間、ミラノのはカーニバル(謝肉祭)休暇に入る。
カーニバルの季節の代表的なお菓子は、キアッケレ(軽いせんべい感覚の揚げ菓子)
とトルテッリ(ピンポン玉くらいの大きさの揚げシュー)。
もちろんこの店にも先週から登場した。


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ここの自慢はカスタードクリーム入りのトルテッリだそうだ。
もうひとつのこの店の自慢は、オーナー兼パン職人のアレッサンドロの素敵な笑顔である。
38歳、生粋のミラネーゼ。

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   ●○ 藤岡葉子 YOKO FUJIOKA ○●

  愛媛県生まれ。大学卒業後、本場のオペラにふれるため1989年に渡伊。
  音楽と同じくらいイタリアの食文化に心酔してしまい現在まだまだ没頭中。
  ジャーナリストの夫、一女一男のこども達とミラノの市街地に暮らしている。
  「こどもの友達のママなど、たくさんのイタリア人の友達に囲まれて生活しています。
  地元の人たちから愛されているお店やイタリアのマンマならではの料理レシピ、
  いろいろとおしえてもらっています。
  ミラノにいらっしゃるときには是非お声をお掛けください。」


    www.yoshimi-boulanere.com

# by ybitaly | 2008-01-25 14:36 | 美味しいお店